旅に出るといつもストレスを感じる。旅に出ればどこからともなくストレスが現れ、それはまるで床に落とした影のように一寸の遅れもなく私に付き纏うので、あまりに鬱陶しく感じることもある。
しかし、ストレスとうまく付き合うことは、旅を楽しむためには必要不可欠といっていいだろう。旅先で見えるもの、確実にそこに存在していたものが、ストレスと仲違いしてしまうと途端にそれは形をなくし見落とされてしまうのだ。
とはいっても、なかなかそう単純ではなく、道中でストレスと喧嘩してしまうことも多い。旅から帰途についたあとで、旅の思い出に浸り、ストレスともっと仲良くすればよかったなといつも思う。仲良くすれば、旅の見方も変わったのにだろうと。
ストレスと手を握り合い、体を重ね、その脈絡、体温、鼓動を感じてこそ、旅の本質を理解できるのだ。だからこそ、次回の旅こそは、ストレスと友達でいられることを願う。